歯の内部、特に「歯髄（しずい）」と呼ばれる神経や血管が集まる部分に対する治療です。一般的には「根管治療」とも呼ばれます。虫歯が進行して神経まで達してしまった場合や、過去に治療した歯が再び痛んだり腫れたりした場合にも行われます。
歯内療法の目的は、できるかぎりご自身の歯を抜かずに残すことです。重度の虫歯や根の病気になってしまっても、歯内療法によって歯を残せる可能性があります。

歯髄は硬いエナメル質などで覆われた歯の中心部にあるため、通常細菌に感染することはありませんが、虫歯が進行しエナメル質が溶かされてしまうと歯髄まで感染が進みます。感染すると激しい痛みや腫れなどが生じ、細菌が根の先の組織まで進行すれば、顎の骨の中に膿がたまるなど、全身に影響を及ぼすこともあります。
そのため、感染を起こした神経や歯の内部の細菌を丁寧に除去し、根管内をきれいに清掃・消毒・密封することで感染の再発を防ぎ、歯の寿命をできるだけ延ばすことを目的としています。

虫歯はC0～C4までの進行段階があり、特にC3（神経に達した虫歯）の段階で歯内療法が必要となります。場合によってはC2でも神経の近くまで虫歯が進行していれば、抜髄（神経を取る処置）が必要になることがあります。

歯ぐきに生じるデキモノは「フィステル」と呼ばれ、日本語では瘻孔(ろうこう)とも訳されます。膿の排出場所として出現するため、虫歯の進行による細菌感染や、神経の治療を行なった歯が感染してしまいフィステルが形成される場合など原因はさまざまです。外傷によって神経が炎症を起こし細菌感染を起こした結果、フィステルができてしまうこともあります。

就寝時横になると、血流が頭部に流れることで血管が拡張し、神経が圧迫されてしまい、痛みを感じやすくなります。歯髄炎、根尖性歯周炎といった疾患が原因として挙げられます。